建設部門で受験者数の多い「道路」科目について、過去5年分の出題傾向から今年度の出題テーマを想定しています。選択科目Ⅲの想定問題も掲載しますので、これから準備する方は参考にしてください。
選択科目Ⅱ-1(道路)の出題テーマ
選択科目Ⅱ-1は、設計・計画・舗装・土工の4分野に分かれて出題されます。解答する問題(分野)は、必ずしも受験申込書に書いた専門とする事項に合わせる必要はありません。
設計分野の問題は、幾何構造と構造物のどちらかが出題されています。昨年は幾何構造の問題でしたから、今年は構造物の問題になるかもしれません。昨年改訂された橋梁定期点検要領や点検・維持管理への新技術活用などは、想定しておいた方が良いと思います。
計画分野の問題は、トレンディなテーマが出題されており、前年度に制定・改正された法制度は出題確率が高そうです。今年2月に閣議決定され、5月に成立した改正道路法には必ず目を通しておく必要があると思います。また、昨年9月に公表された「高速道路における安全・安心基本計画」の出題も考えられますが、これは選択科目Ⅲの出題テーマになる可能性が高いと思われます。
舗装分野の問題は、ICT舗装が本格的化することから、AI/ICTを活用した点検・施工の効率化が想定されます。
土工分野は、H30の技術基準制定を除けば、切土斜面・盛土・軟弱地盤が繰り返し出題されています。昨年は切土のり面点検がテーマだったので、今年は盛土点検がテーマになるかもしれません。
選択科目Ⅱ-2(道路)の出題テーマ
選択科目Ⅱ-2の出題テーマ(業務)は、①事業管理業務、②計画策定業務、③対策検討業務に分かれています。必ずしも自分の専門分野に合う問題が出題されるとは限りません。しかし、発注者や計画系コンサルなら①②、設計系コンサルやゼネコンなら③を選択すれば、自分の業務マネジメント経験を生かして、業務遂行手順や関係者調整を解答できると思います。
都市部や市街地を対象とした業務が多いのが、特徴として挙げられます。そのため、都市部や市街地での道路事業、道路建設におけるリスクを想定しておくと良いでしょう。トレンディなテーマとしては、ナショナルサイクルルートの指定に向けたルート検討業務、無電柱化や耐震補強等による耐災害性強化検討業務などが想定できると思います。
選択科目Ⅲ(道路)の出題テーマ
選択科目Ⅲは、トレンディなテーマが出題されます。過去5年間の出題傾向を見ると、高速道路に関連するテーマが複数回出題されています。
選択科目Ⅱ-1でも触れましたが、昨年9月に公表された「高速道路における安全・安心基本計画」は、選択科目Ⅲの出題テーマになる可能性は高いと思います。高速道路の安全性、信頼性、使いやすさの向上については、しっかり準備しておきましょう。
また、選択科目Ⅱ-2で触れた道路の耐災害性強化も、出題の可能性が高いと思われます。昨年7月に道路の耐災害性強化に向けた有識者会議が提言をまとめていますので、内容を把握しておくようにしましょう。
以下は、この2つのテーマで作成した選択科目Ⅲの想定問題です。
R02「道路」選択科目Ⅲの想定問題
(1)形成された高速道路ネットワークの機能を更に強化するために、技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。
(2)(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3)(2)で示した解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。
(1)大規模災害時の迅速な救急救命活動や復旧活動を支えるための道路整備に当たって、技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。
(2)(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3)(2)で示した解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。




