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令和2年技術士試験対策:建設部門「施工計画」の出題テーマ想定

過去記事

建設部門で受験者数の多い「施工計画」科目について、過去5年分の出題傾向から今年度の出題テーマを想定しています。選択科目Ⅲの想定問題も掲載しますので、これから準備する方は参考にしてください。

 

選択科目Ⅱ-1(施工計画)の出題テーマ

選択科目Ⅱ-1の4問は、土質基礎、契約制度、安全管理、コンクリートの4分野に分かれています。解答する問題(分野)は、必ずしも受験申込書に書いた専門とする事項に合わせる必要はありません。

ベーシックなテーマが多く出題されていますが、契約制度や安全管理では法制度改正に沿ったトレンディなテーマも出題されています。

土質基礎では、軟弱地盤や土留めなどの現場リスクが高いテーマが出題されます。土留めと軟弱地盤が交互に出題されていましたが、昨年は液状化がテーマとなりました。今年は土留めと軟弱地盤のどちらかの出題が考えられます。加えて、福岡市地下鉄の陥没事故を教訓に、土木事業における地質・地盤リスクマネジメント検討委員会が今年2月に取りまとめた「地質・地盤リスクマネジメントのガイドライン」等の内容は、把握しておく必要があると思います。

契約制度では、昨年6月に成立した新・担い手3法とそれを踏まえた品確法基本方針・入契法適正化指針の改正に関するテーマが出題される可能性が高いと思われます。建設キャリアアップシステム(CCUS)についての出題も考えられますが、これは選択科目Ⅲの出題テーマになるのではないかと思われます。

安全管理では、昨年が三大災害だったので、今年は熱中症対策や外国人労働者の安全管理の出題が想定されます。

コンクリートでは、これまで出題されていないテーマとして、暑中コンクリートを想定しておく必要があると思います。

 

選択科目Ⅱ-2(施工計画)の出題テーマ

選択科目Ⅱ-2出題テーマ(業務)は、土質基礎に関する業務、コンクリートに関する業務に分かれています。

土質基礎に関するテーマでは、都市部や市街地を対象とした業務が多く出題されています。そのため、都市部や市街地での施工現場におけるリスクを想定して、調査項目、業務遂行手順、関係者調整を準備しておくと良いでしょう。

土質基礎に関しては、住宅地での開削工事がここ数年連続して出題されています。今年も出題される可能性は十分考えられます。加えて、H30に出題された災害復旧工事も、想定しておくと良いと思います。

コンクリートに関するテーマは、新設コンクリートと、既設コンクリートに分かれます。新設コンクリートは、橋脚やラーメン橋のような隅角部で鉄筋が密になる構造が条件とされ、既設コンクリートは寒冷地沿岸部で築50年など、かなり厳しい劣化条件が付けられています。これらのことから、リスクが高い条件下での業務が、出題テーマになることを想定しておくべきです。

昨年は新設コンクリートがテーマでしたので、今年は既設コンクリートの補修補強が出題される可能性が高いように思います。

 

選択科目Ⅲ(施工計画)の出題テーマ

 選択科目Ⅲは、トレンディなテーマが出題されます。過去5年間の出題傾向を見ると、建設業界の問題とインフラ整備の問題にわかれます。

建設業界の問題として、昨年は品確法を背景とした技能労働者の処遇改善が出題されました。今年は、建設キャリアアップシステムが本格運用され、担い手確保の観点からシステムの普及活用がテーマになると想定されます。

インフラ整備の問題として、昨年は建設リサイクルが出題されました。今年は、品確法の改正を踏まえ、建設現場の生産性向上における情報通信技術の活用がテーマになる可能性が高いとあると思われます。

以下は、この2つのテーマで作成した選択科目Ⅲの想定問題です。

 

R02「施工計画」選択科目Ⅲの想定問題

Ⅲ―1 令和元年6月に公布・施行された「公共工事の品質確保の促進に関する法律の一部を改正する法律」では、受注者・発注者の責務として情報通信技術の活用等を通じた生産性の向上が新たに規定された。
国土交通省は、これまで情報通信技術を活用した施策を建設現場に導入することにより、建設生産システム全体の生産性向上を図り、魅力ある建設現場を目指す「i-Construction」を推進している。また、令和元年10月に閣議決定された品確法基本方針の一部変更では、工事の監督・検査及び施工状況の確認・評価に当たり、情報通信技術の活用を図ることが定められた。
このような背景と昨今の建設産業を取り巻く環境の変化を踏まえ、下記の問いに答えよ。
(1)建設現場の生産性向上における情報通信技術の活用に関し、技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。
(2)(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3)(2)で示した解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。
Ⅲ―2 建設産業で働く技能者の高齢化や若手入職者の減少の問題に対し、優秀な技能者を確保・育成していくための建設キャリアアップシステム(CCUS)が、令和元年4月から本格的に運用を開始している。令和元年に改正された入札契約適正化促進法に基づく入札契約適正化方針においても、建設キャリアアップシステムの活用に関する内容が盛り込まれており、受発注者双方で利活用を推進することが求められている。
このような状況を踏まえ、以下の問いに答えよ。
(1)将来にわたって建設業界の担い手を確保していくために、建設キャリアアップシステムの普及と活用に関し、技術者としての立場で多面的な観点から課題を抽出し分析せよ。
(2)(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する複数の解決策を示せ。
(3)(2)で示した解決策に共通して新たに生じうるリスクとそれへの対策について述べよ。
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