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【二次試験願書】技術士にふさわしい業務経歴の書き方

過去記事

 

自分には技術士にふさわしい業務経験なんて無いと諦めていませんか?

たとえ上司から指示された小さな仕事でも、自分なりに考えて答えを見出したなら、それは技術士にふさわしい業務になり得ます。

あなたにも技術士にふさわしい経験は、きっとあるはずです。あなたは、それに気付いていないだけかもしれません。

「技術士にふさわしい」の意味とは

「業務経歴票には、技術士にふさわしい業務を5つ書きなさい」

技術士受験で指導を仰ぐと必ず聞くフレーズですが、そう言われてもどうすれば良いのか分からないですよね。

技術士にふさわしいとは、技術士の定義に合っているということです。5業務が技術士の定義に合っていて、従事期間が定められた年数(7年など)以上有れば、受験資格要件は満たされます。

技術士の定義は、技術士法第2条に書いてあります。口頭試験を受ける前には、絶対暗記することになるので、今のうちから覚えておくと良いです。

 

技術士の定義(技術士法第2条)

技術士とは、高等の専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価又はこれらに関する指導の業務を行う者をいう。

ここで、マーキングのところを着目してください。

経歴票の5業務は、マーキングに相当する業務だということが分かれば良いのです。

 

技術士の定義に相当する業務内容の書き方

技術士法の定義に相当する業務経験にするには、経歴票の業務内容を「計画、研究、設計、分析、試験、評価、これらの指導」で終わらせる書き方とします。これら以外にも「検討、解析、開発」などのワードで終わらせても良いです。

例えば、「○○における△△の設計」や「○○における△△の検討」という書き方をすれば、技術士の定義に相当する業務だと分かります。

あるいは「○○における△△の検討及び□□の設計」もあります。いろいろ検討して□□を設計したという場合の書き方です。

「○○における△△の調査」や「○○における△△の計測」などの書き方は、技術士にふさわしい経験とは認められないでしょう。なぜなら、調査や計測は技術士法の定義に無いからです。

技術士にふさわしい経験が無いと、諦めてはいけない理由

自分は定型業務ばかりで、技術士にふさわしい業務経験が無いと諦めている人も多いと思います。でも、簡単に諦めないでください。技術士にふさわしい業務経験を持っているのに、それに気付いていないだけかもしれません。

上司の指示に従っているだけでも、たとえ業務の一部しかやらせてもらえない立場でも、あなたに「計画、研究、設計、分析、試験、評価、検討、解析、開発」と呼べる業務経験があれば可能性は十分あるのです。

例えば、道路の設計業務を3人で行っていたとします。

その中であなたは一番下の立場で、上司の指示で図面を書いたり工事数量を計算したりと、単純作業しかしていなかったとします。

そこで、あなたが何も考えずに単純作業だけしていたなら、技術士にはなれないかもしれません。

しかし、上司から「この用地に盛土をかけないように、縦断線形を何本か引いてみて」と指示を受けて仕事をしていたなら、そしてあなたが「これが一番良い線形かな」という答えを見つけたなら、その業務は「技術士にふさわしい業務」になるはずです。

これを経歴票に書くなら、「用地制約区間における最適縦断検討と道路設計」とすれば良いのです。

でも、この仕事3日で終わったのだけど、従事期間はどうすればいいの?

実際に経歴票を書けば、そんな悩みも出ますよね。

結論から言えば、1年や2年と書いてあっても大丈夫です。従事期間は、それほど重要なことでは無いのです。受験申込書の案内には「主な業務の抜粋又は複数年の業務をまとめて記入してもよい」となっています。

用地制約を受ける道路の縦断検討や道路設計の経験が複数あれば、それをまとめると1年や2年にはなるでしょう。

 

高等の専門的応用能力を難しく考えない方が良い理由

そうは言うものの、「高等の専門的応用能力を必要とする事項」で引っ掛かる人もいるはずです。でも、あまり難しく考えないでください。そもそも、技術士を受ける時点で、あなたは技術職のはずですから、何がしか技術の専門家のはずです。

それに、高等かどうか、応用能力を必要とするか否かの判断基準なんてどこにもありません。

ですから、自分で「高等の専門的応用能力を発揮した業務」と思えば、それを試験でアピールして、試験官が「そうですね」と思えばOKなのです。

大企業なら高等の仕事が出来て、零細企業ならできないということもありません。大企業なら有名プロジェクトを手がけるでしょうけど、そこで責任者になれる人は限られます。一方、小さな会社では、何でも一人でやらなければいけません。

なんでも一人でやる方が、課題や問題点を広い視点で捉えることができるし、解決策も自分で見出して判断しなければなりません。大企業のプロジェクトでは、学識経験者から解決策をもらえますが、小さな仕事ではそうは行きません。

小さな会社の小さな仕事の方が、「高等の専門的応用能力を発揮した業務」を経験していることがアピールしやすいはずです。

「高等の専門的応用能力を必要とする事項」というのは、「その分野の技術者が、知識経験を駆使して、課題解決しなければならない事項」であって、会社の知名度や仕事の大小では無いのです。

 

経歴票5業務を書くテクニック

経歴票を書くテクニックをよく聞かれます。

テクニックで合格できる試験では無いので、あまり気にすることは無いと思いますが、あえて言うならこの4つがポイントだと思います。

  • 何を経験してきたか、専門は何かが分かればOKです。難しい言葉ではなく、分かりやすい言葉を使うべきです。
  • 現場状況が見えると分かり易いです。急斜面、軟弱地盤、近接、寒冷地などのワードが入ると、課題や問題点がそこにあったのだろうと想像できます。
  • 「~のための、~における、~を考慮した、~及び」などを使うと書きやすくなります。
  • 場所や施設名はほとんど意味がありません。国道○○号、○○川、○○橋など、書いても問題は無いですが、何らアピールにはなりません。

最近、建設コンサルタントは点検業務ばかりなので、技術士にふさわしい業務が無いと悩んでいる人も多いようです。でも、「○○劣化が進行している○○の点検方法の検討」とか、少し工夫をすれば技術士にふさわしい業務になるので、あまり深く悩む必要は無いです。

その点検方法の検討が、後の診断業務や補修設計業務にどのように生かされたかまでフォローでき、さらに課題を見つけて改善を加えたストーリーなら、十分に合格論文にできるはずです。

 

実際に合格者が書いた業務経歴のパターン

以下は、実際に合格者が書いていた経歴票のパターンです。

  1. ○○における○○の調査及び対策検討
  2. ○○事業における○○の計画
  3. ○○定期点検および補修設計(○○劣化、○○対策等)
  4. ○○有する橋の○○部において、○○により○○力が超過した場合、○○の制約下での○○の検討の責任者と指導

1.の書き方は最も多いパターンです。

2.の超あっさりパターンも結構います。

3.は( )でキーワードを見せてます。

4.は4行使って長々説明しています。

書き方は人それぞれで、こう書かなきゃダメということはありません。ただし、以下の点は共通しています。

  • 実際の受注業務名を書いてない
  • 具体的な場所や施設名は書いてない
  • 計画、設計、検討、指導などのワードで終わっている

先にも説明しましたが、業務経歴票5業務の書き方のポイントは、技術士の定義にふさわしいワードで終わらせることです。

 

まとめ

  • 経歴票に書く業務は、技術士の定義にある「計画、研究、設計、分析、試験、評価、これらの指導」などの言葉で終わらせます。
  • 技術士にふさわしい業務経験が無いと決め付けてはいけません。あなたが気付いていないだけかもしれないのです。
  • 上司から指示された小さな検討でも、いろいろ考えて自分なりに答えを見出したなら、技術士にふさわしい業務になります。
  • 3日で終わった検討でも、類似の検討業務が複数あれば1年や2年の従事期間にできます。
  • 高等の専門的応用能力の定義はないので、自分でその能力を発揮した業務だとアピールして、試験官が認めればOKです。
  • 単純な点検業務でも、書き方ひとつで十分に技術士にふさわしい業務にできます。
  • 業務経歴票の書き方に決まりはありません。いろいろなパターンがあります。

 

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