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【二次試験願書】失敗しない詳述業務(小論文)の書き方

過去記事
この記事は、旧試験制度における受験申込対策の内容です。2019年度以降の新試験制度における詳述業務の書き方は、下記の記事をご覧ください。
技術士にふさわしい資質能力と実務経験が伝わる業務詳細の書き方
受験申込書作成で一番悩むのが、720文字の業務詳細ではないでしょうか。技術的内容を書けば良いのか、それとも口頭試験で質問される4つのコンピテンシーをアピールすべきか迷う人も多いと思います。今回は、業務詳細の書き方について説明したいと思います...

 

採点者に課題解決ストーリーを理解させることが最優先

詳述業務は「技術士にふさわしい課題解決能力」が伝わらなければ意味がありません。安易に書いてしまうと、筆記試験合格した後に辛い思いをするハメになります。

詳述は720文字(図表不可)です。ざっくりとスーリーを理解させることが重要です。ざっと読んで「細かいことはともかく、なんとなく理解できた」と思われたらOKなのです。

高度な技術を見せようと、難しい専門用語を並べた文章は極力避けるべきです。なぜなら、意味が分からない言葉が並ぶとストーリーを理解できなくなるからです。

採点者に課題解決ストーリーを理解してもらわなければ、絶対に合格はできません。

 

課題解決ストーリーをパターン化する

ストーリーを以下の3つのパターンにはめると、試験官も課題解決能力を発揮したことが理解しやすくなります。

  1. 普通ならこうするところを、違う視点から分析して課題を解決した。
  2. 確立した手法が無いことに対し、論理的思考に基づき課題を解決した。
  3. トレードオフ関係を課題と捉えて、公益確保を優先して解決した。

このようなストーリーが大体伝われば、十分に合格論文です。

ぱっと見わかりやすいのは、「通常の手法に問題がある」「確立した方法が無い」「トレードオフ」などの課題解決キーワードが、はっきり書かれていることです。じっくり読まないと分からないのは、面倒くさいのでとりあえずペケにされる確率は高いです。

 

詳述業務の記入例

1.立場、役割

設計担当者として、道路拡幅で現道交通を確保しながら施工可能な擁壁形式を提案する役割があった。

2.課題および問題点

通常の逆T式擁壁や補強土擁壁では掘削の影響が大きくなり、現道交通確保のために仮設土留めが必要となるが、岩盤が比較的浅いため工費が大幅に増大した。そこで、オープン掘削で現道交通確保できる底版幅のL型擁壁を計画し、安定に必要な水平力をグラウンドアンカー2段で補う工法を検討した。しかし、グラウンドアンカーを併用する盛土擁壁の設計方法が確立しておらず、その合理的設計方法が問題点となった

3.技術的解決策

必要アンカー力は、擁壁の底版幅が小さいため、自重のみでは安定するのに不足となる抵抗力として求める方法を採用した。壁体の断面計算はアンカー位置を支点とする版モデルと梁モデルで比較し、安全側設計となる梁モデルを採用した。また、壁体の構築段階で擁壁の安定や必要アンカー力が変化することから、トライアル計算により効率的な施工手順を見出した。

4.成果

合理的な設計手法により安定した擁壁形式を提案し、仮設土留め併用案に比べ工費を5割削減できた。

上記の例は、確立した手法が無いことに対し、論理的思考に基づき課題を解決したというストーリーです。マーキング箇所がポイントです。突っ込みどころは多々ありますが、概ねこんな感じなら不合格にはならないはずです。

これらを参考に、まずは自分で書いて、申込書提出前には必ず添削を受けるようにしよう。

試験官から「何が言いたいの?」「だから何なの?」と思われたら、口頭試験は相当厳しくなると心得ましょう。

「なんとなく課題解決能力ありだね」と思われたら、口頭試験でよほどミスしない限り合格できます。

 

申込書提出前に必ず添削を受けること

とにかく、書いたら添削を受けることです。できれば複数の人に添削してもらうのをお勧めします。

業務内容を知っている会社の上司や同僚より、その業務を知らない第三者の人が良いです。専門外の人に見せると、意外と適切なアドバイスが返って来ることがあります。専門の人は技術的にどうのこうのという話になりがちで、肝心の課題解決能力を見てくれません。

決して自己判断で妥協しないでください。

 

まとめ

  • 課題解決ストーリーを理解させることが最優先に、分かりやすさ重視で書きましょう。
  • 課題解決ストーリーは3つのパターンにはめると分かりやすくなります。
  • 「通常の手法に問題がある」「確立した方法が無い」「トレードオフ」などの課題解決キーワードをはっきり見せましょう。
  • 申込書提出前に必ず添削を受けるようにしましょう。第三者や専門外の人の方が、適切なアドバイスをくれることもあります。

 

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