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【技術士筆記試験】課題解決問題の過去問テーマとH30出題予想

過去記事

筆記試験まで1ヵ月と迫ったこの時期、今年の課題解決問題の出題テーマが気になるころです。特に受験勉強が進んでいない人は、そろそろ模擬答案を作成しなければ、本番に間に合わなくなってくるので、出題される確率の高いテーマに絞りたいと考えるでしょう。
出題テーマを予想するには、過去の傾向や技術・政策動向を分析しなければなりません。もうそんな時間が無いという人は、他の人が予想するテーマの中から選ぶしかないでしょう。大多数の予想テーマは、それなりに出題される確率も高いはずです。
そこで私も、コンクリート、河川砂防、道路、施工計画の4科目について、5年分の過去問テーマを眺めながら、H30年の出題テーマを予想してみましたので参考にしてください。

コンクリートは「技術開発」と「ストック有効活用」


コンクリートの過去5年分のテーマを見ると、維持管理系に関するテーマが多いのが特徴です。道路や河川のような事業別系の科目と違って、防災関連の出題はなさそうです。
H30年の出題テーマですが、1つは技術開発ではないかと考えます。膨大な施設数が急速に劣化進行するので、長寿命化に向けての課題は山積です。人も金もない中で、維持管理・補修に関する技術開発の必要性はテーマになりやすいでしょう。自己補修コンクリート、内部劣化の可視化、点検ロボット、AIによる点検ビッグデータ分析など、技術開発の話題はたくさんあると思います。
もう1つは、ストック有効活用と予想します。ストック有効活用は、単に既設構造物の機能維持に留まらず、地域防災力や生活の質の向上などの観点から論じるのが良いと思います。例えば、コンクリート橋を炭素繊維などで補強すれば、耐震性能が向上して避難路や緊急輸送路確保が図れるとか、平常時には大型トレーラーの通行が可能となり物流の効率化が図れるなど、どうすれば既設構造物の付加価値を高められるかを考えると良いでしょう。

河川砂防は「防災・減災」と「維持管理サイクルの実現」


昨年、ストックの有効活用が出題されているので、同テーマは無いはずです。H28にハザードマップの改善が出ていますが、今年は「防災意識社会の実現」に向けた流域間の連携や「逃げ遅れゼロ」などがキーワードになりそうです。また、火山噴火災害も多発しているので、砂防系ではその課題解決で解答できるでしょうし、海洋海岸では迫りくる南海トラフへの対応などから論じても良いと思います。策定されたばかりの「ダム再生ビジョン」も、施策を進めることで防災・減災に繋がるはずです。
もう1つは、維持管理サイクルの実現です。いわゆる、点検・診断・措置・記録のサイクルをどのように回していくかです。このテーマは、どの科目も出題される可能性が高く、結構重たいテーマだと思っています。「維持管理サイクルを回しましょう」までは、だれでも言えることですが、「お金が無いし人もいないのに、どうやって回すの?」との問いに、論理的に解決策を提示できるかです。

道路は「物流生産性の向上」と「道路移動の円滑化」


道路は、出題テーマが予想し難い科目です。あまり細かなテーマ予想して模擬解答を作るより、「安全・安心確保」「生産性向上」「生活の質の向上」のような大きな目標に向けて、道路の果たすべき役割から課題解決を論じられるようにした方が良いかもしれません。
今年の大本命は「物流生産性の向上」だと考えています。H30年2月に道路法の改正があり、重要物流道路制度が創設されました。背景には、トラックドライバーの不足や過剰労働、災害時の緊急輸送の確保、コンテナ・トラックの大型化などがあります。物流結節点を含めて平時・災害時を問わないトラック輸送の生産性を向上させて、経済成長力に繋げていくという論理展開が良いでしょう。また、近年大雪でのトラックが立ち往生した事態も問題となっているので、物流生産性向上の観点からこれらの対策を提示するのもありでしょう。
もう1つは、「道路移動の円滑化」です。簡単にはバリアフリーの推進ということで、東京オリパラ大会で共生社会の実現を世界にアピールすることや、防災減災のために無電柱化して歩道移動を円滑化するなどが、解答に盛り込むポイントになると思います。その他、外国人観光客の円滑な移動に向け、ナビゲーションや標識の改善、積雪地域の冬季バリアフリーも、課題として挙げられると考えます。

施工計画は「i-Conの深化」と「ダイバーシティの推進」


施工計画も、出題予想し難い科目と言えるでしょう。H29に働き方改革がi-Con絡みで出たので、今年はないと予想する人も多いと思います。しかし、今年はi-Con深化の年と位置づけて、昨年の3倍近く予算が計上されています。AI技術の開発・導入、ICT工種の拡大、基準類の整備、施工時期の平準化など、i-Conの実用化・拡大に向けた課題解決をテーマとした出題は予想しておくべきと考えます。特に自治体や地方建設業への拡大・深化は、結構難しい問題を抱えているようにも思います。
もう1つは、ダイバーシティの推進ではないかと思います。女性活躍や外国人労働者の雇用を推進するに当たっての課題と解決策を問われる設問が考えられます。働き方改革や担い手確保などの一般論に留まらず、雇用契約制度、品質確保、生産性などを含めて実現場の視点から課題を挙げて、解決策を提示することがポイントかと思います。

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