PR

技術士合格に向けて、口頭試験対策でアドバイスしてきたこと30選

口頭試験

口頭試験の模擬面接などでアドバイスしてきたことから、多くの受験者のヒントになりそうな30事例を紹介します。問答形式ではなく、模擬面接後のアドバイスのみを載せています。同じような内容が並びますが、何人もの受験者に同じことを繰返し言っているのです。

業務経歴・業務詳細についてのアドバイス

1. まずは、あなたの役割をはっきりさせましょう。全てをあなた一人でやっていなくても、不合格にはなりません。ここは上司、ここは他のスタッフ、これが私一人でやったこと、それをはっきりさせて、あなたがやったことが技術士にふさわしいと認められれば、必ず合格できます。

2. 試験官は「全部じゃないだろうけど、この業務のどこかに一人で苦労して結論を出したところがあるはず」そう思って聞いているので、それをはっきり伝えることが重要です。そこさえ分かってもらえれば、簡単には不合格にしないと思います。

3. あなたが考えた課題と解決策は何か、そこをはっきりさせないと、「それ上司からの指示じゃないの?もし、あなたの考えなら上司に相談したと思うが、上司の意見は?どこかに外注した?」こんな質問を浴びせられます。たった1行しか書いていないことでも良いので、自分で考えて意思決定した部分を試験官に伝えましょう。

4. 根掘り葉掘り聞いてくるのは、本当にあなたがやったかどうかを確認するためです。本当にあなたがやったなら、答えられるはずですよね。ここが、口頭試験の最大のポイントなんです。

5. その解決策を提案するに至ったストーリーを明確にしておくことです。そうしないと、あなたの課題解決能力を評価できません。口頭試験は、解決策の妥当性を評価するのではなく、解決策を導いたあなたの思考プロセスを評価するのです。

6. 学識経験者と一緒にやったことをアピールしても良いのですが、課題解決が先生方の助言のままだと思われないようにすることが重要です。アピールすべきは、高度な委員会に参加したことではなく、あなた自身の課題解決能力です。はじめから先生の個人名を出す必要は無いですし、聞かれれば答える程度で良いと思います。

7. 問題点や解決策が、上司や学識経験者のアドバイス・指示であるなら、それはあなたの業績ではないので、あなたに課題解決能力があるかは不明となります。不明のままなら、能力が認められないとして加点されませんから、不合格となります。

8. 「先生には、このようなヒントはもらいました。そこで、私はこう考えてこうしました」程度の答えの方が、リアリティある回答のように思います。最終的な意思決定者が「私」でなければ、あなたの能力を評価できません。

9. 部長だから統括する立場かもしれないけど、統括するのは技術士の仕事じゃないです。技術指導したと言ったとしても、どこをどのように指導したのかをはっきりさせないとダメです。そこを説明しないと、部下の報告受けただけだと思われます。

10. 「○○調査はしなかったの?」との質問に対して、言い訳をくどくどと話すのではなく、「調査したが重要要素ではなかったので書かなかった」と答えれば良いのでは?全体的に説明がくどいので、もっと簡潔に話すようにしましょう。

11. とにかく、あなたの役割、クリアーすべき問題点、問題点と捉えた理由、その解決策を提案した理由、得られた成果・リスクを試験官に理解させることです。そのための3分説明だと考えましょう。間違えずに言えればOKという試験ではありません。

12. 業務詳細の課題解決ストーリーを明確にした方が良いです。ストーリーを明確にしていないから、関連質問の答えにも矛盾が出るのでしょう。試験時間は短いので、一旦矛盾が生じると、それを解消するのは難しく、矛盾を抱えたまま時間切れアウトになるかもしてません。

13. 「技術士にふさわしいと考える点は?」と聞かれて、答えられるようにしておきましょう。一般的な手法に課題を見つけて改善した、マニュアルが無かったので合理的に解決したなど、一言で説明できるようにしましょう。

14. どうしても思いつかなかったら、「○○と△△のトレードオフに対して最適解を導いたこと」と答えられませんか? ごちゃごちゃ説明するより、トレードオフを課題として、その最適解を提案したと説明すれば分かってもらえるはずです。どんな業務にも、トレードオフ問題は多かれ少なかれあるはずです。

15. 業務が終わったばかりであれば、まだ成功か失敗か答えが出ていないわけですよね? 今後のモニタリング方法や、悪い結果が出た場合の改善方法も答えられるようにして、この業務の成果に最後まで責任を持っている姿勢を見せるべきです。

16. あなたの説明を聞いても、構造物の形がイメージできないので、内容がまったく理解できません。理解できないものは、加点できないので時間切れアウトになると思います。もっと身振り手振りで、形がイメージできるように説明しないとダメです。ホワイトボードを使って説明する練習も、しておいた方が良いと思います。

17. 専門用語や難しい表現が多すぎて理解できません。簡単なことを難しく説明するのではなく、難しいことをわかり易く説明するのも、技術士の能力です。試験官は、あなたが使う専門用語をすべて知っているわけではありません。難解な専門用語を並べても、高度な技術力は伝わりません。

18. あまりにもわかり難いと「その説明でクライアントは理解してくれましたか?」って聞かれるかもしれません。それに対して「理解してくれました」と答えるでしょうけど、試験官は納得しないはずです。そうならないように、難解な専門用語を並べて語るのはやめた方が良いです。

技術制度・技術者倫理についてのアドバイス

19. 「あなたが業務遂行上、留意している点は?」の問いに対しては、「個人、会社、発注者の都合よりも、公衆の安全や環境の保全を優先することを常に心がけている」みたいな回答が欲しいのです。いわゆる公益確保を最優先にしているということです。

20. 「公益とは何ですか?」とよく質問されるので、答えられるようにしましょう。技術士法の公益確保の責務の条文を棒読みするより、自分の言葉で「・・・のように理解しています」と言いたいですよね。理解を深めるために、倫理綱領の解説を読んでおくことをお勧めします。

21. 公益確保違反を強要されたらどうする?それを発注者から強要されたら?内部告発をどう思う?などと質問されます。答えとしては、最初は粘り強く説得、それでもダメなら最後は公益通報するとの答え方で良いのですが、公益通報者保護法の趣旨は理解しておくべきです。

22. 倫理関連の質問で、「普段会社では公益を損ねる経験もあると思いますが、どう対応してますか」という質問もあるようです。「そのような経験はありません」で終わらせるのではなく、「もしそのようなことがあれば、公益確保を最優先に考え行動します」と答えるようにしましょう。

23. 「3義務2責務の中でどれを優先する?」と聞かれたら、「どれも重要ですが、公益確保を優先します」と答えましょう。公益確保は秘密保持義務より優先されます。公益を損ねる秘密は、守る必要はないということです。公益を損ねる秘密を守ったのが、技術者倫理に違反する偽装事件ですから。

24. CPD関連では、なぜCPDが必要なのかを聞かれるかもしれません。「知識や能力を維持向上するために行うもので、継続研鑽を証明するために記録の登録が必要」と答えれば良いでしょう。技術士の場合は3年で150ポイントです。RCCMとは違うので注意しましょう。

その他のアドバイス

25. いまさら高度な技術力は身に付かないので、「まだまだ未熟だけど、この人なら技術士として成長していけるだろう」と思ってもらえるように、熱意と情熱を持って受け答えする、会話することが大事だと思います。

26. 「聞かれたことだけ簡潔に答えろ」と指導されることは多いと思います。しかし、口頭試験は、技術士にふさわしいかを確認する試験です。聞かれないから答えないではなく、技術士相当の能力を伝えるために、聞かれなくてもアピールすべきことは積極的に言うべきです。

27. 暗記したことを下向いてボソボソ言うより、試験官の目を見て自分の考えを熱く語る人の方が、本物だと感じるはずです。自分が苦労して課題解決した業務なら、暗記しなくても語れるはずです。思い出しながらボソボソ言うのが、一番疑わしいです。

28. 自分の専門外のところは、別の専門家に判断を委ねるというスタンスの方が良いと思います。技術士は自分の専門に責任を負う立場で、専門以外のところに責任を負ってはいけないはずです。名称表示義務があるのもそのためです。

29. 論文発表の有無は聞かれます。「社内発表はあるが社外発表は無い」、「詳述業務はもう少しモニタリングしてから論文発表したい」等の答え方で良いです。ただし、発表予定の学会くらいは答えられるようにしておきましょう。

30. 技術者としてのポリシーを語れるようにしましょう。経歴説明や受験の動機などポリシーを語る場面はあります。私も口頭試験では、「普段は小さな仕事ばかりだが、小さな仕事にも高度な技術判断は必要で、小さな成果の積み重ねが大きな成果に繋がると信じている」などと毎回語って来ました。

タイトルとURLをコピーしました