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R5技術士筆記試験に向けて「施工計画」の出題テーマを予想してみた

筆記試験

選択科目「施工計画」について、過去問のテーマ分析を基に令和5年度の出題テーマを予想してみました。試験本番まであと少しですが、これから本格的な準備に入る方は参考にしてください。

 

施工計画Ⅱ-1の出題テーマ予想

施工計画Ⅱ-1の4問は、土質基礎、契約制度、安全管理、コンクリートの4分野に分かれて出題されます。これは今年も変わらないと思いますので、解答する分野を絞り込んで準備しておけば良いでしょう。必ずしも受験申込書に書いた専門とする事項に合わせる必要はありません。
Ⅱ-1-1の土質基礎では、液状化、地すべり、軟弱地盤、切土のり面保護が出題されています。これ以外の未出題テーマとしては、盛土工、土留め工があります。いずれかが今年出題される可能性が高いと考えます。盛土工あれば、締固め等の品質管理、土留め工であれば壁体や底面の変状が問われると予想されます。
Ⅱ-1-2の契約制度では、入札契約方式やCCUSの動向に関連したテーマが出題されています。今年度は、R4標準請負契約約款の改正に関して建設発生土搬出先の明確化、再生資源利用促進実施の強化が問われると予想されます。
Ⅱ-1-3の安全管理では、「墜落・転落災害」、「崩壊・倒壊災害」に関連するテーマが続けて出題されています。昨年はフルハーネス装着の完全施行がテーマでしたが、今年も墜落・転落災害に関するテーマが出題されると予想されます。R4.10に「建設業における墜落・転落防止対策の充実強化に関する実務者会合報告書」が公表され、R5.03に策定された「第9次建設業労働災害防止5か年計画」でも墜落・転落防止を重点対策のトップに挙げています。
Ⅱ-1-4のコンクリートでは、維持補修のテーマが3回出題され、コンクリート施工のテーマが1回出題されています。昨年は維持補修がテーマだったことから、今年はコンクリート施工がテーマになると考えます。コンクリート施工では、R3の高粒度コンと同様に生産性向上関連がテーマになる可能性が高いと考えます。そのため、R5ではプレキャストコンクリート工法に関する出題が予想されます。
以下、私が考える令和5年度の施工計画Ⅱ-1の予想テーマです。

令和5年度、施工計画Ⅱ-1の予想テーマ
予想Ⅱ-1-1:盛土締固め管理方法、試験盛土で規定する際の留意点
予想Ⅱ-1-2:建設発生土に関する請負契約約款の改正の背景と概要
予想Ⅱ-1-3:施工計画における墜落転落対策、現場管理上の留意点
予想Ⅱ-1-4:プレキャストコンクリート工法の特徴、施工の留意点

 

施工計画Ⅱ-2の出題テーマ予想

施工計画Ⅱ-2では過去4年間、構築工事と開削工事の2種類の工事に分かれて出題されています。どちらも制約条件が設けられ、模式図が示される場合もあります。構築工事では主に工程管理や品質管理のリスク対応が問われ、土留め開削工事では主に変状リスクや周辺への影響リスクへの対応が問われています。
いずれも、計画段階におけるリスク対応に向けた調査・検討項目、リスク対応の手順、リスクコミュニケーションやリソースマネジメントを解答するので、工事種類で大きく解答内容が変わることはありません。
テーマを予想するのは難しいのですが、制約条件を付けやすい工事におおける未出題のテーマが出題されると考えます。そのため、構築工事では、施工時間や交通制約を受ける橋梁架設工事の出題が予想されます。開削工事では、昨年が連続壁の出水対策だったので、今年は鋼矢板土留めの底面変状対策の出題が予想されます。
以下、私が考える令和5年度の施工計画Ⅱ-2の予想テーマです。

令和5年度、施工計画Ⅱ-2の予想テーマ
予想Ⅱ-2-1:都市部高架橋のPC主桁架設工事の施工計画業務
予想Ⅱ-2-2:住宅地内での鋼矢板土留め底面変状対策検討業務

 

施工計画Ⅲの出題テーマ予想

施工計画Ⅲでは、維持更新・災害対応など建設産業の役割に関するテーマと、労働環境や入札契約などの建設産業の環境に関するテーマが出題されています。最近話題となっているテーマが出題されており、その傾向は今年も変わらないと思います。
建設産業の役割に関しては、昨年が災害復旧のテーマだったことから、今年は維持管理に関するテーマになる可能性が高いと考えます。維持管理に関しては、R5.01開催の「発注者責任を果たすための今後の建設生産・管理システムのあり方に関する懇談会・維持管理部会」において、維持管理における建設生産・管理システムが議論されており、これに関連したテーマの出題が予想されます。
建設産業の環境に関する最近の話題としては、R5.03に提言をまとめた「持続可能な建設業に向けた環境整備検討会」での議論が挙げられます。提言では、建設業が目指すべき方向性として、適切なリスクの分担と価格変動への対応、施工の品質などで競う新たな競争環境の確保の2点を挙げています。前者は昨年のテーマである建設生産プロセスに近い内容であるため、今年は後者の新たな競争環境の確保が出題テーマになると予想されます。
以下、私が考える令和5年度の施工計画Ⅲの予想テーマです。

令和5年度、施工計画Ⅲの予想テーマ
予想Ⅲ-1:持続的・実効的なインフラメンテナンスの実現
予想Ⅲ-2:建設産業の持続的発展に向けた競争環境の確保

 

おわりに

施工計画の特徴としては、Ⅱ-1が土質基礎・契約制度・安全管理・コンクリートの4分野に分かれること、Ⅱ-2が構築工事と開削工事に分かれること、Ⅲが建設産業の役割と環境に分かれることが挙げられます。
出題傾向が比較的はっきりしている科目なので、準備時間が少ない場合は、各自の知識と経験から解答できそうなテーマに絞って準備した方が効率的だと思います。

 

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