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【R6技術士試験対策】選択科目「施工計画」の出題テーマ予想

筆記試験

選択科目「施工計画」について、過去問のテーマ分析を基に令和6年度の出題テーマを予想してみました。試験本番まであと少しですが、これから本格的な準備に入る方は参考にしてください。

 

 

施工計画Ⅱ-1の出題テーマ予想

施工計画Ⅱ-1の4問は、土質基礎、契約制度、安全管理/DX、コンクリートの4分野に分かれて出題されます。これは今年も変わらないと思いますので、解答する分野を絞り込んで準備するのが効率的だと思います。

Ⅱ-1-1の土質基礎では、液状化、地すべり、軟弱地盤、切土のり面保護に関連するベーシックなテーマが出題されています。これまで盛土工や土留め工の出題はありませんが、出題される可能性は否定できません。今年は、能登半島地震の盛土被害を踏まえて、地震による盛土崩壊に関するテーマが予想されます。

Ⅱ-1-2の契約制度では、入札契約方式、CCUSの動向、監理技術者配置要件に関連したテーマが出題されています。この分野では、2024問題や資材高騰への対応に向けてR6.3閣議決定(R6.6成立)した建設業法・入契法の改正に関するテーマが予想されます。

Ⅱ-1-3では、R1~R4までは、墜落・転落や足場倒壊など安全管理に関するテーマが続けて出題されていました。昨年はじめてBIM/CIMが出題され、今後は建設DX関連のテーマが続く可能性もあります。ICT全面活用に向けた取り組みが進んでいることから、今年は、ICT活用工事(土工)に関連するテーマが予想されます。

Ⅱ-1-4のコンクリートでは、維持補修のテーマが3回出題され、コンクリート施工のテーマが2回出題されています。昨年はコンクリート施工がテーマだったことから、今年は維持補修のテーマになると考えます。維持補修では、R3に中性化が出題されていることから、劣化要因に関する出題が考えられます。今年は、塩害対策がテーマになると予想されます。

以下、私が考える令和6年度の施工計画Ⅱ-1の予想テーマです。

令和6年度、施工計画Ⅱ-1の予想テーマ
予想Ⅱ-1-1:地震による盛土崩壊の要因、崩壊防止対策の留意点
予想Ⅱ-1-2:R6建設業法・入契法改正の背景、主な改正点の概要
予想Ⅱ-1-3:ICT活用工事の効果、ICT土工の安全管理上の留意点
予想Ⅱ-1-4:RC構造物の塩害メカニズム、塩害対策と施工留意点

 

 

施工計画Ⅱ-2の出題テーマ予想

施工計画Ⅱ-2では過去5年間、構築工事と開削工事の2種類の工事に分かれて出題されています。どちらも制約条件が設けられ、近年は模式図が示されています。構築工事では主に工程管理や品質管理のリスク対応が問われ、土留め開削工事では主に土留壁の変状リスクや周辺への影響リスク対応が問われています。

いずれも、計画段階におけるリスク対応に向けた調査・検討項目、リスク対応の手順、リスクコミュニケーションやリソースマネジメント、施工中のトラブル対応でのリーダーシップを解答する内容となっています。この傾向は、今年も変わらないと思います。

構築工事テーマの工種は、橋梁下部工(R1,R2,R3)、補強盛土(R4)、橋梁上部工(R5)となっており、橋梁上下部共にRC施工を対象としています。昨年は冬季施工に触れていたので、気象条件によるRC施工の品質安全管理が出題されやすいと考えます。今年はRC橋脚での暑中コンクリート施工における品質安全管理の出題が予想されます。

開削工事の出題内容は、周辺影響(R1)、発生土処理(R2)、工程安全管理(R3,R5)、トラブル対応(R4,R5)となっています。発生土処理は、R2に出題されていますが、R4標準約款改正による搬出先の明確化など、最近の制度改正を踏まえて再度出題される可能性があります。今年は開削工事における発生土の搬出計画が予想されます。

以下、私が考える令和6年度の施工計画Ⅱ-2の予想テーマです。

令和6年度、施工計画Ⅱ-2の予想テーマ
予想Ⅱ-2-1:RC橋脚における暑中コンクリートの施工計画業務
予想Ⅱ-2-2:開削工事における発生土の排出処理計画策定業務

 

 

施工計画Ⅲの出題テーマ予想

施工計画Ⅲでは、維持更新・災害対応・CN推進など建設産業の役割に関するテーマと、労働環境や入札契約などの建設産業のあり方に関するテーマが出題されています。最近話題となっているテーマが出題されており、その傾向は今年も変わらないと思います。

建設産業の役割における最近の話題としては、自動施工や遠隔施工が実践段階に入ったことが挙げられます。建設機械施工の自動化・自律化協議会は、R6.3に自動施工の安全ルール案を策定しています。R6.4には国交省がi-Construction2.0を公表し、人口減少下でもインフラの整備・維持管理を持続的に実施する施策が示されました。このような背景から、今年は建設現場のオートメーション化・生産性向上が出題されると予想されます。

一方、建設産業のあり方では、R6.3に建設キャリアアップシステム(CCUS)運営協議会が、技能者の処遇改善を推進するための3カ年計画骨子案を提示しています。R6.3に閣議決定した改正建設業法・入契法も、技能者の処遇改善を担い手確保につなげる狙いがあります。このような最近の動向を踏まえると、今年はCCUSによる処遇改善・能力向上推進が出題されると予想されます。

以下、私が考える令和6年度の施工計画Ⅲの予想テーマです。

令和6年度、施工計画Ⅲの予想テーマ
予想Ⅲ-1:建設現場のオートメーション化による生産性向上
予想Ⅲ-2:CCUS活用による技能者の処遇改善・能力向上推進

 

 

まとめ

施工計画の特徴としては、Ⅱ-1が土質基礎・契約制度・安全管理/DX・コンクリートの4分野に分かれること、Ⅱ-2が構築工事と開削工事に分かれること、Ⅲが建設産業の役割とあり方に分かれることが挙げられます。

Ⅱ-1の4分野では盛土崩壊・建設業法・ICT土工・塩害対策を予想しており、Ⅱ-2では未出題の暑中コンクリート施工と制度改正が進む発生土処理を予想しています。また、Ⅲでは最近の動向を踏まえて、i-Construction2.0によるオートメーション化、CCUSによる処遇改善を予想しています。

出題傾向が比較的はっきりしている科目なので、準備時間が少ない場合は、各自の知識と経験から解答できそうなテーマに絞って準備した方が効率的だと思います。

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