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これで技術士試験の合否が決まるかも!本番で使える文章術5選

筆記試験

試験会場では解答内容を悩みながら答案を作成するので、読みやすい文章を書く意識が薄くなります。しかし、解答趣旨を明確に伝えるためには、読みやすい文章を書くことが絶対条件になります。今回は、試験本番で使える文章術を5つ紹介します。

 

tech1:主語と述語を明確にして近づける

主語や述語を曖昧にしてしまうと、読み手に趣旨が伝わらなくなります。
例えば、「5割以上が10年後に築50年を超える」という文章は、主語が無いので読み手に趣旨が伝わりません。これに「道路橋」という主語を入れると、「5割以上の道路橋が10年後に築50年を超える」となり、趣旨がある程度伝わるようになります。
また、文章中に「5・10・50」の数字が並んでいますが、解答者はどの数字を重要視しているのかも曖昧です。「築50年」を重要視しているのであれば、重要な数値を述語として、主語の「道路橋」に近づけるようにします。そうすると、「10年後に5割以上の道路橋が、築50年を超える」となり、「築50年を超える」を重要視していることが明確になります。もし、「10年後」を重要視しているのなら、「5割以上の道路橋が築50年を超える時期は、10年後である」のように、主語を「超える時期」として、述語に「10年後」を入れて近づけるようにします。「5割以上」を重要視しているのなら、「10年後、築50年を超える道路橋の割合は、5割以上となる」とすれば、解答趣旨が明確になります。

 

tech2:用語の前に長い修飾語を置かない

専門知識の高さを見せようとすると、用語の説明として修飾語が長くなります。
例えば、「致命的な損傷が起きてから対症療法的に修理・修繕・刷新をする事後保全から、不具合が軽微なうちにメンテナンスをして施設寿命を延ばす予防保全に切り替える」という文章では、事後保全と予防保全を説明する修飾語が長すぎて、読み手も少しイライラします。
読み手の試験官は、事後保全や予防保全の内容は知っているので、この程度の内容をいちいち説明する必要はありません。言いたいことは、「事後保全から予防保全への切り替え」なのであれば、それを先に言ってから、その後でその効果を説明するようにします。
「事後保全から予防保全型に切り替える。これにより、維持管理作業の平準化とコスト削減が可能となり、戦略的インフラメンテナンスが実施できる」と書いてあれば、専門知識の高さは試験官に十分伝わります。

 

tech3:ワンセンテンス・ワンメッセージ

これは、一つの文章には一つの情報しか入れないことです。一文一義や一文一意とも言われ、わかりやすい文章を書く基本です。
次の文章には3つのメッセージが含まれていますが、85文字使われていて読み難く、何を言いたいのかもはっきり伝わりません。
「これまで、インフラ維持管理に対するさまざまな取組みを進めてきたが、自然災害の頻発化と老朽化の進行により地域の防災機能は低下し、特に小規模市町村では危機的な状況となっている」
これをワンセンテンス・ワンメッセージとして、短い文章に3分割するとこうなります。
「これまで、インフラ維持管理に対するさまざまな取組みを進めてきた。しかし、自然災害の頻発化と老朽化の進行により、地域の防災機能は低下している。特に小規模市町村では、危機的な状況となっている」
ワンセンテンス・ワンメッセージの短い文章を並べた方が、リズムよく読めるようになり、3つのメッセージも伝わりやすくなります。

 

tech4:文章内で同じ言葉を繰り返さない

丁寧に説明しようとすると、一つの文章に同じ言葉を繰り返し使うようになります。
例えば、「インフラ老朽化対策として、インフラの安全性や利便性を検証し、地域インフラの統廃合を進める」という文章では、「インフラ」という言葉が繰返し使われています。これは、「老朽化対策として、安全性や利便性を検証した上で、地域インフラの統廃合を進める」としても趣旨は伝わります。そうした方が、文章も短くなり読みやすくなります。
また、理由や根拠を示すために、「~により」や「~のため」などの言葉を繰り返してしまうことも多々あります。
例えば、「目視により点検するには人手がかかるため、ドローンにより省力化したいが、操作人員が確保できないため導入が進まない」という文章には、「~により」と「~のため」がそれぞれ2回使われています。そのため、表現がくどくなり、読み難くい文章になっています。最初の部分を、「目視点検には人手を要するので」とすることで、同じ言葉の繰り返しが無くなり読みやすくなります。
同じ言葉を複数回使いそうになるなら、省略できないか、別の言い方にできないかを考えてみましょう。

 

tech5:3行以内に句点、1.5行以内に読点

一つの文章の文字数に制限はありませんが、一般には60文字程度を目安とするのが読みやすいとされています。しかし、技術士試験の答案では、「デジタルトランスフォーメンション」など、文字数の多い専門用語を使うので、60文字にこだわる必要はありません。
私の感覚では、答案用紙の1行24文字を目で追うのは簡単です。しかし、3行を超えて句点「。」が付けられていない場合、「句点を見逃した?」「この文章どこまで続くの?」と不安になります。そのため、試験本番では、答案用紙の3行(72文字)以内に句点「。」を打つように意識すれば良いと思います。
また、急いで文章を書いていると、読点「、」を忘れることも多々あると思います。例えば、「地域のインフラメンテナンスを実施するためには地方公共団体に防保全型の維持管理システムを導入することが必要である」という文章は、答案用紙2.3行(55文字)にわたり読点「、」が打たれていません。
このように文章が長くなる場合は、「・・・実施するためには、地方公共団体に・・・」のように文の区切りで読点「、」を打つようにします。そうすると、後半部分でも1.4行(33文字)にとどまりスムーズに読めるようになります。試験本番では、1.5行以内に読点を打つよう留意すれば良いでしょう。

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